プレス加工現場では高品質や納期厳守を維持したうえで、より一層のコスト削減が求められている。本書は、現場に見られるムダを省く一方、費用をかけないでより効率的な生産システムが構築できるようにした現場改善のための実務書。

目 次

はじめに
第１章　短期計画を完遂し営業利益を確保
　1.1　基本方針と改善に対する考え方
　1.2　年間改善計画の立案
　1.3　年間計画による目標の必達

第2章　7つのムダ発見で現場のムダが見える
　2.1　作り過ぎのムダ
　2.2　不良のムダ
　2.3　在庫のムダ
　2.4　運搬のムダ
　2.5　作業のムダ
　2.6　手待ちのムダ
　2.7　動作のムダ

第3章　現場を変える6つの効率化
　3.1　安全効率化
　3.2　管理効率化
　3.3　副資材効率化
　3.4　材料効率化
　3.5　設備効率化
　3.6　エネルギー効率化

第4章　人と機械の効率化
　4.1　順送プレス加工の活人化
　4.2　可動率向上改善
　4.3　2工程プレス加工活人化

第5章　生産性を向上させる簡易自動化
　5.1　レールの簡易自動化
　5.2　タップ加工の簡易自動化

はじめに

　プレス加工をしている業種は、輸送用機械器具製造業をはじめ、金属製品製造業、電気機械器具製造業など、多くの業種を占めている。これらの業種は東アジアをはじめグローバルな環境の中で競争している。国内で生き残るには、生産現場に金をかけない独自の生き残り戦術でモノづくりの差別化を図り、業界の中で「きらりと光る」存在になることである。それが勝ち組の位置付けであり、生き残り戦術である。
　このようなコンセプトで、プレス加工現場に潜む問題点を改善した事例から着眼点やヒントを生産現場に横展開していただければ幸いである。
　現場改善は問題点が見えてこなければ改善案は出てこない。問題点探索方法も改善要素の重要なファクターである。着眼の方法も記載しているので確認していただきたい。日々の納期を守り不良を出さない「ルーチンワーク」からプラス改善業務が日業業務になることが真の管理・監督者の業務と考える。
　多くの会社で短期経営計画を策定しているが、期末にどのような結果になったかが不明朗な会社は多数ある。期初の短期経営計画が期末に実績として明確に反映している会社は少ないので、本書を活用し具体的な改善例がモノづくりの原点である製造原価低減にどのようにつながり、製造原価がどれだけ下がり利益につながったか、結果を証明する源泉にしていただきたい。
　本書を出版するに当たり日刊工業新聞社出版局野�蛙⑯貉瓩・薜貶・覆蕕未・は辰砲覆辰拭８耄蘓修珪紊欧襦�
　2009年3月
　磯野信雄